本書を過去に1度(2018年?)読んでいます。
その頃は、トライアスロンを始めて2年目であまりよくわかっていなかったと、最近2度目を読んで思いました。
本書のおすすめの読者層は、完走目的の人ではなく、
・ショート(51.5)で自己記録を目指す
・国内ロング、IRONMANに出る
ような方です。
そして文中のエイジランキングや、ハワイ・コナ、世界選手権の記述は、上記の読者層であれば問題なく理解できるでしょう。
ポイント①:トレーニングを再定義しよう
トレーニングとは、「この新しい環境に適応してね」という身体に対する依頼作業だ。
学生時代の体育会系の感覚でいると、ついついトレーニングに量を求めてしまいます。
自分も耳が痛いです。
しかし、量をこなす=強度が下がるというトレードオフは、必ず発生します。
量をこなすことで思考停止すると、長くゆっくり動く能力だけが伸びていきます。(ロング完走目的の場合、それでもOK)
持久系競技のトレーニングでは、閾値以上の高い強度(新しい環境)が競技力を上げることが常識となっています。
トレーニングの定義を、古い体育会系的感覚から更新しないといけません。
ポイント②:トレーニングは、タイミングも大事
レース直前期にやりがちな間違いは、「自分の力を試す練習」をしてしまうこと。
レース直前に、不安でレースに近い負荷のトレーニングをしたくなる気持ちはわかります。
理由を深く掘り下げたことがなかったのですが、
・休むのが怖い(これ、トライアスリートあるある)
・この負荷で走れるという自信がほしい
ことが挙げられるのだと思います。
特に後者は、プランニングの甘さです。
レースに近い負荷でトレーニングすること自体、悪いことではないです。(むしろ推奨)
しかし、それが「レース直前期」となるとまずい。
自分の力を試す練習は、前倒して強化期に持っていくといいでしょう。
トレーニングは、頻度、時間、強度だけでなくタイミングも大事です。
ポイント③:本番は特に頑張らない
トライアスロンには奇跡はない。実力以上の結果が出ることはなく、スタート前にはすでにあらかたの決着はついていて、ただ見えないだけだ。
実力以上の結果を出そうとしていませんか?
というかそのような人は、実力自体を把握できていないのかもしれません。
レース中のパフォーマンスについては、心拍数やパワーにおいて一般的な推奨数値があります。
後半潰れる傾向にある人は、その具体的な数値まで落としたレース計画をおすすめします。
また、心拍数やパワーのようなデータを取るデバイスが安価に手に入るようになっています。
猫も杓子も数値化することには賛成できませんが、定期的なデータ取りは競技レベル向上に必須です。
心拍数とパワーメーターを使うことの有効性は、以下でそれぞれまとめています。
自分もバイクにパワーメーターをつけたり、心拍数を管理するようになってから、無駄な頑張りがなくなりました。
なお、本書の著者については、noteやブログ等での情報発信もされています。
本書を読んで興味を持たれた方は、以下をフォローするとアンテナの角度が広がるでしょう。
コメントを残す